水の課題
世界には、生活用水の安全性に課題を抱える地域が多く存在しており、特にサブサハラアフリカの農村部では、この課題が深刻です。
これらの地域では、地下水や表流水が日常的な水源として利用されています。しかし、見た目には透明で清潔に見える水であっても、水質の安全性が常に確認されているとは限りません。水の中には、細菌やウイルスなどの目に見えない微生物が含まれている場合があり、水系感染症や健康被害の原因となることがあります。
また、多くの村落では、安定した水処理設備が整備されておらず、住民が地下水や表流水をそのまま利用せざるを得ない状況も見られます。
こうした課題に対し、現地の環境に適した持続可能な水浄化技術の導入が求められています。水質を改善し、より安全な水へのアクセスを支えることは、住民の健康改善と生活環境の向上につながります。
災害時・農村地域で活用できる水浄化システム
ノロウイルス、大腸菌、コレラ菌などの微生物は、水系感染症の主な原因となります。なかでもノロウイルスは、胃腸炎を引き起こす代表的なウイルスの一つであり、粒子サイズは約27〜38nmとされています。そのため、一般的な細菌用フィルターでは対応が難しい場合があります。
本システムに使用している中空糸膜は、孔径0.02μmの膜ろ過技術を採用しています。これは、大腸菌やコレラ菌などの細菌よりも十分に小さく、ノロウイルスの粒子サイズと比較しても小さい孔径です。
そのため、弊社の水浄化システムは、高性能な膜ろ過技術により、水に含まれる濁りなどの物理的な不純物に加え、細菌や一部のウイルスなどの微生物を物理的に低減し、処理水の水質改善と安全性の向上を支援することを目的としています。
特に洪水などの災害時には、大腸菌やコレラ菌などによる感染リスクが高まることがあります。こうした状況では、電力インフラが十分に整っていない地域でも利用しやすく、現地で継続的に運用できる水浄化システムが求められます。
弊社のシステムは、災害時、農村地域、避難キャンプ、電力インフラが整っていない地域などにおいて、水質改善とより安全な水へのアクセスを支えるための装置です。
中空糸膜技術
日本の膜ろ過技術は、泥などの物理的な不純物だけでなく、水に含まれる細菌や一部のウイルスなどの微生物を低減できる技術です。薬品を使用せずに水を処理できるため、環境負荷を抑えながら、安定した水質改善を目指すことができます。
一方で、従来の水処理システムでは、ろ過に安定した商用電力が必要となる場合が多く、電力インフラが整っていない地域では導入が難しいという課題がありました。
私たちは、省エネルギー型の水浄化システムを開発し、太陽光発電と組み合わせることで、電力インフラのない地域でも運用しやすい仕組みを目指しています。これにより、農村地域、避難キャンプ、災害時の緊急対応など、安定した水処理設備の導入が難しい環境でも、水質改善を支援することが可能になります。
このシステムは、電力インフラに制約のある地域において、持続可能な水処理の選択肢を広げ、より安全な水へのアクセスを支えることを目的としています。
浄化能力と膜洗浄機能
Super Purifier SUGOI は、電力インフラのない農村地域、避難キャンプ、災害時の緊急対応など、安定した水処理設備の導入が難しい環境でも活用できるよう設計された水浄化システムです。
本装置は、省エネルギー設計により、商用電力が利用できない場所でも太陽光発電と組み合わせて運用することが可能です。コンパクトながら、原水の状態に応じて、最大約16L/分の処理が可能です。
また、地域の人口や利用ニーズに応じて、複数台を組み合わせることで柔軟に対応することもできます。
SUGOI には、薬品を使わない空気洗浄機能、エアバックウォッシュを搭載しています。ろ過膜に付着した不純物を空気の力で除去することで、目詰まりを抑え、ろ過性能の維持を支援します。
原水の水質や使用条件にもよりますが、通常の使用環境では、ろ過膜を長期間使用できる設計となっており、維持管理にかかる負担の軽減にもつながります。
水質に関する注意事項
本システムは、膜ろ過により、濁りなどの物理的な不純物や、水に含まれる一部の微生物を低減し、水質の改善を支援することを目的としています。
ただし、中空糸膜ろ過では、重金属、塩分、化学汚染物質など、水に溶け込んだ成分を除去することはできません。
そのため、導入前には、原水の状態や地域の水質課題を確認し、システムの適合性を判断することが重要です。
緩速ろ過・砂ろ過との違い
緩速ろ過、いわゆる砂ろ過は、地域によっては有効な水処理方法の一つです。特に濁度の高い水を処理する場合には、凝集剤を適切に使用することで、水中の細かな濁り成分をまとめ、ろ過しやすい状態にすることが重要です。
一方で、凝集剤を使用せずに濁度の高い水をそのままろ過しようとすると、砂層に細かな不純物が蓄積し、目詰まりを起こす可能性が高くなります。一度目詰まりが発生すると、ろ過に使用している砂を取り出し、洗浄したうえで再び戻す作業が必要になります。
この作業は非常に手間がかかり、重労働であるだけでなく、多くの人手、時間、作業スペースを必要とします。小規模な村落や、専門的な管理者を常時確保しにくい現場では、こうした維持管理作業が継続運用の大きな負担となる場合があります。
また、凝集剤を使用する場合でも、薬品の継続的な調達、保管、適切な投入管理が必要となります。そのため、薬品調達や管理体制が十分に整っていない地域では、砂ろ過設備を安定して運用し続けることが課題となることがあります。
特に小規模な村落や、人口5,000人以下の地域では、大規模な砂ろ過設備の導入や維持管理が負担となる場合があります。
そのため、小規模地域や電力インフラの整っていない地域では、維持管理がしやすく、太陽光発電と組み合わせやすい水浄化システムが有効な選択肢となります。
水浄化の様子
事例
ウガンダ

