こんにちは。
本記事でご紹介する取り組みは、2024年度に実施されたAfDXのFS(フィージビリティ・スタディ)調査の結果をもとにスタートしたプロジェクトです。
▶ FS調査の詳細はこちら:

この調査を通じて、セネガル・ポドール県をはじめとする地域において、安全な水へのアクセスが深刻な課題であることが改めて確認されました。
その中でも特に、Diarnguel(ジャルンゲル)村という村での導入を目指すことを決定し、現在活動を進めています。
川に囲まれた村へ、船で渡る
この村はセネガル川支流の中州にあり、アクセスが非常に限られています。
雨季には川の水位が上がり、写真のように船でしか渡ることができません。
乾季になると車での往来も可能になりますが、道路は未整備で、大型車両での輸送は難しいのが現実です。


きれいな水がほしい – 村人の切実な願い
ポドール県内には、飲料水の確保に苦しむ村落が数多く存在しています。
その中でもDiarnguel村は、安全な水を強く求める声が特に大きく、導入候補地として選定されました。

現在この地域では、川の水に薬剤(凝集剤)を加えて濁りを沈めたうえで飲んでいますが、細菌やウイルスまでは除去されていないため、下痢などの健康被害が続いています。
この村落では、動画のように、灰を使って水の濁りを沈める伝統的な方法も使われていますが、衛生面での限界は否めません。
他の手段が難しい理由
深井戸の設置には重機が必要ですが、この村は道路整備が不十分なため、大型車が入ることは難しい。
また、水道整備も川を越える必要があり、周辺村落も含めて整備が進んでいない状況です。

砂ろ過設備についてもいくつかの課題があります。
まず、基本的に人口5,000人以上の大規模村が対象とされており、小規模村には不向きです。Diarnguel村のような中小規模の村落では、導入コストや運用体制が合わず、現実的ではありません。
さらに、一般的な砂ろ過方式では、濁りの強い水を処理するために凝集剤が不可欠とされています。
また、周辺には自然ろ過タイプの浄水設備(凝集剤を使わないタイプ)がすでに複数導入されていましたが、私たちが現地を訪れた際には、4か月以上続く雨季の間は河川の濁りがひどく、システムがまったく機能していないことが確認されました。
このような現実からも、既存の手段だけでは限界があると感じました。
小型浄水機器で目指す新たな選択肢
そこで私たちは、自動販売機ほどのサイズの小型浄水装置の導入を検討しています。
- 約100kgの重量で、漁業用の船での輸送が可能。
- 濁った川の水からも、大腸菌やウイルスなどを物理的に除去可能。
- 内部の膜は、洗浄機能で常に清潔を保てる設計。
- 太陽光発電で稼働可能なため、電力のない地域でも使用できます。
この機器の特性は、Diarnguel村のような条件の厳しい地域にこそ適していると考えています。
現地NGOと連携して進める取り組み
現在、現地で活動するNGOと連携しながら、この村での導入に向けた準備を進めています。
この挑戦が成功すれば、同様に水の問題を抱える周辺の村々へも展開できる可能性があります。

プロジェクトを進める上での注意点
途上国でのプロジェクトにおいて、私たちは以下の2点に特に注意しています。
1. 維持管理の仕組みづくり
機器は一度導入すれば終わりではありません。フィルター交換や清掃などの維持管理に費用がかかるため、村落がその費用を継続的に負担できるかを事前に検討します。
また、機器が故障した際のサポート体制の構築も非常に重要です。現地パートナーとの連携が不可欠です。
2. 公平性と合意形成
水という資源は、公平性が欠けると争いの火種にもなりかねません。
そのため、導入前には村の自治長や周辺村落との丁寧な話し合いを重ね、地域全体で合意の上で導入を進めることを心がけています。
今後も進展があれば、随時このブログでお知らせしていきます。
川の中の小さな村に、安全な水と安心を届けるために。
引き続き、応援よろしくお願いいたします。
私たちの取組みは、日本の優れた技術を使い、地域の課題解決に役立てることを目的としています。