〜円安が止まらん理由もセットで解説〜
まず最初に言っておきます。
私は経済アナリストでも相場の専門家でもありません。
ただの “素材安を心の底から願う製造業のおっさん” です。
専門家ぶって分析しているように見えますが、
その根本にあるのはただ一つ。
「頼むから材料費、下がってくれぇーー!!」
という希望的観測でございます。
……が、残念ながら相場は願望では動いてくれません。
結論から言うと、
2026年のNSP、下がる気配ゼロ。
むしろ上がる可能性が高い。
あぁ、言いたくない。書きたくない。でも現実です。
円安が止まらん
ドル円は 156〜157円。
150円でも「円安すぎるやろ!」と言っていたのに、
もう150円台前半が懐かしいレベルに。
利上げを示唆しても市場は無反応。
10年国債利回りが上がっているのに、さらに円安が進むという
日本だけの逆走バグ が続いています。
普通の国では
金利↑ → 通貨↑(円高)
ですが、
日本は
金利↑ → 財政不安 → 円売り → 円安。
この構造では、
円安が続く → アルミの円建て価格が上昇 → NSPも下がらない
という最悪のループが続きそうです。
世界需要は弱いのに、LMEはしぶとい
世界のアルミ需要は弱いです。
- 中国:不動産回復せず
- 欧州:製造業が元気なし
- 米国:利下げ後も設備投資は慎重
なのに LME は 2,800〜3,000USD をキープ。
需要が弱いのに相場だけ強いという最悪のパターンで、
NSPは下がる隙がありません。
プレミアムは下がるけど、円安で全部チャラ
日本向けプレミアムは下落傾向ですが、
円安がすべてを飲み込んでしまう。
- プレミアム↓
- LME↓
これらを全部打ち消すほどの円安パワー。
結果として、NSPは下がりにくい構造が続きそうです。
そして…国内のインフラ更新でアルミ需要が上がる?
ここが今回の重要ポイントです。
日本は今、
道路・橋梁・公共施設などの老朽化インフラの更新 に本腰を入れ始めています。
(補正予算の中でも超重要項目)
橋や高架、公共施設の改修には、アルミが大量に使われる。
つまり──
世界全体では需要が弱くても、
日本国内だけは“政策の後押しでアルミ需要が増える”可能性がある。
これも NSP が下がりにくい理由のひとつ。
相場が下がらない材料がまた増えちゃった!という残念展開です。
現在の2026年のNSP予測(短くスパッと)
✔ ベース
480〜520円/kg(高止まり)
✔ 上振れ
520〜560円/kg
→ 円安方向ならここへ
✔ 下振れ(低確率)
450〜470円/kg
→ 世界不況でLME崩れたらワンチャン(不況の方が困るけど)
最終まとめ
- 円安156〜157 → NSP最大の悪役
- 日本だけ金利↑ → 円安の特殊状況
- 世界需要弱いのにLMEは強い
- プレミアム下落も円安でチャラ
- 国内のインフラ更新でアルミ需要が増える可能性あり
- NSPは下がりにくい構造が完成
- うちは在庫スッカスカで守りの経営へ
最近の記事では 2025年7–9月期の実質GDPが前期比-0.6%(年率-2.3%)のマイナス になったと報じられていました。景気が全体的にやや失速しているのは確かに感じるし、民間の設備投資や住宅関連は特に元気がないように見えます。
ただ、その一方で 公的投資(公共事業)が増えている というデータもあり、民間の落ち込みをある程度カバーしているようです。このあたりは業種ごとに明暗が分かれるところで、公共と民間の比率次第で大きく状況が変わってきます。
つまり経済は、
「全てが悪いわけではないけど、どこで活路をつかむかが勝負」
という、なかなかシビアな局面。
うちの会社も、伸びない事業・伸びている事業の差がはっきりしてきており、当然、伸びている事業に力を入れるべきなのですが……リーマンショックを経験していると、どうしても慎重になります。
特に 余分な在庫だけは絶対に持ちたくない という心境。
来年こそは、
もう少し気分よく過ごせる世界が来てくれることを願うばかりです。
