ナカソンゴラ地域を調査しているとき、偶然「M-KOPA」を導入している店舗を見つけたんです。
「あっ、これがあの有名なM-KOPAか!」と思わず声が出てしまいました。
アフリカでソーラー革命を起こしたとも言われている会社。記事でも“画期的だ!”って絶賛されてたし、正直ちょっとワクワクしました。
しかも、専用の冷蔵庫とセットのやつやん!
ソーラーパネルのサイズは…
見た目のサイズからすると、出力はおそらく50〜60Wくらい。
75Wもなさそうな感じです。
これで冷蔵庫を動かしてるなんて、ほんまに動くんかいな?

冷蔵庫のスペックをチェック!
ラベルを見ると、容量は100Lクラス。
家庭用としては小型ですが、店舗で飲み物を冷やすには十分なサイズ。
しかし、消費電力の欄を見てびっくり。
200Wh/24h!
いや、これはさすがに…絶対冷えないやつでしょ。

店の人の反応は…
店の人に話を聞いてみると、やっぱりというか、案の定というか…。
- 「期待してたほど、冷えなかった。というより全く冷えない」
- 「しかも、結構短い期間で全く動かなくなった」
- 「理由はよく分からない」
さらに話を続けると、苦笑いしながらこんなことも。
「こんなもん買ってきて!って、家族からいまだに非難されてるんですよ」
「これのせいで、家族との仲まで悪くなりました…」
まさかソーラー冷蔵庫が家庭不和の原因になるとは。
なんともやりきれない現実です。
感想
無電化地域でも、いまやスマホの充電だけやなく、テレビや冷蔵庫といった生活家電の需要が急速に高まっています。電気があれば暮らしが便利になる。それを肌で感じる人がどんどん増えているんです。
でも、ひと昔前のソーラーシステムでは、もうその需要に応えきれません。
照明と携帯の充電くらいなら何とかなるけど、冷蔵庫やテレビを動かすとなると、パネルもバッテリーも全然足りない。
電気の需要は高まる一方。
これからのシステムには、もっと実用的で、現実の暮らしに寄り添った設計が求められていると感じました。冷蔵庫を動かすには、最低でも200W以上のソーラーがほしいところです。
事業展開について
今後の事業で大きく投資したらどうか?とよく聞かれます。
たとえば、私たちのシステムとDC冷蔵庫をセット販売すれば可能性があるんじゃないか、と。
でも、はっきり言って難しいです。
サブスク(分割払い)モデルでやるには、潤沢な資金が必要になります。
アフリカの農村部や小規模店舗では、初期費用を抑えることが重要ですが、回収には時間がかかる。
結局、資金が潤沢な企業と、そうでない企業では事業戦略がまったく違うんです。
私たちは「大きく投資して一気に拡大」は難しく、現実的な規模で確実に成果を積み上げる道しかありません。
