ページ冒頭の写真は、私がニジェールを訪れた際に撮影した、お気に入りの一枚です。
雄大なニジェール川と、ゆっくりと沈んでいく夕日。
その美しさに思わず足を止め、今でも心に残る風景となりました。
そんなニジェールを舞台に、私たちのアフリカ事業の集大成ともいえるプロジェクトが、いよいよ始まります。
これまでアフリカでの事業展開を見据えて新たに開発してきた製品群――
ソーラー充電器とランタン、ソーラー電源システム、飲料水用のソーラー浄水システム。
これらすべてを導入する、本気のプロジェクトです。
開発者として、これほど嬉しいことはありません。
これが欲しかったんや!と言ってもらえる未来を想像しながら、ワクワクしています。
ニジェールという国

今回のプロジェクトの舞台となるのは、
西アフリカに位置する内陸国、ニジェール。
サハラ砂漠の南縁に広がり、
乾燥した過酷な気候の影響を大きく受けている国です。
人口は約2,600万人。
アフリカの中でも特に経済基盤が脆弱で、最貧国の一つに数えられています。
電化率は非常に低く、地方の村落では電気がまったく通っていない地域も珍しくありません。
首都ニアメですら、停電が頻発しており、安定した電力供給が困難な状況です。
さらに近年では、気候変動の影響で大規模な洪水被害が多発。
干ばつと洪水という両極端の自然災害が、人々の生活に深刻な影響を与えています。
一方で、ニジェールは近年オイルの産出が始まり、外貨を得る新たな手段として注目されています。
資源国としての可能性が広がる一方で、その恩恵がすぐに地方の暮らしに届くわけではなく、インフラ整備や基礎的な生活環境の改善は依然として大きな課題です。
また、日本人を含めアジア人の渡航者は極めて少なく、外国人自体の数も限られています。
近年のクーデターの影響で、欧米からの関係者も大きく減少しています。
そうした厳しい環境の中だからこそ、日本の技術で支えられることがある――
私たちはそう信じて、この国でのプロジェクトに取り組んでいます。
機材準備、ついに完了!
必要な機材の製作と調整を経て、ようやくすべての準備が整いました。
今週に出荷予定。緊張と期待が入り混じるこの時期、現場は慌ただしさの真っ只中です。

今回の製作で一番頭を悩ませたのが、ソーラーパネルの架台。
大型のパネルをしっかり支えるために、丈夫で大きな架台が必要なのですが、これがまた輸送上のネックに…。
導入先の一つは、なんと首都から1200kmの地点。
その距離を考えると、大きなままでは運搬が非常に困難。台数も多いし。
さあ、どうする?

アルミフレーム職人、魅せました
そんな悩みを吹き飛ばしてくれたのが、アルミフレームのスペシャリスト。
慣れない現地スタッフでも扱いやすいように、折りたたみ式の架台を開発してくれました。
その結果、驚くほどコンパクトに収納可能な架台が完成!
運搬しやすく、設置も簡単。
うわ、天才やん !と感動したのは、正直なところです。

現地で支える心強いパートナーたち
今回のプロジェクトを現地で支えてくれているのは、
辻プラスチック株式会社で正式にトレーニングを受けた、信頼できるビジネスパートナーの二人です。
ひとりはニジェール出身、もうひとりは南スーダン出身。
ともにJICAの留学制度を活用し、日本の大学で学んだ経験を持つ、頼もしい仲間です。
実は以前、クーデターの影響で日本人スタッフの渡航が難しかった時期がありました。
そのとき、彼らは現地でのパイロットプロジェクトを自らの手で完遂してくれた実績があります。
言語、文化、現地の事情をよく理解した彼らがいるからこそ、
このような挑戦的なプロジェクトも実現できています。
私たちは、こうした現地パートナーとの信頼関係こそが何よりの財産だと感じています。

とりあえず、荷物の出荷が完了しました。
計画通りに、ニジェールに荷物が届いてくれることを祈ります。
続きは、荷物の到着後に!