前回のブログ「このプロジェクト、ちょっと本気です。舞台はニジェール」の続編です。

前回の記事では、プロジェクト開始の背景やニジェールという国の状況、そして「これから始まるぞ!」というワクワクとともに、荷物の準備が整ったところまでをご紹介しました。
そして今回――ついに、荷物がニジェールに届きました!
ページ冒頭の写真は、日本から出荷された機材がついにニジェールに到着し、次から次に届く荷物の荷下ろしをしている様子です。
過酷な輸送を経てようやくたどり着いた瞬間に、自然とチームの笑顔がこぼれます。
荷物を送るだけで、ここまで大変とは…
ニジェールは海に面していない内陸国。
つまり、港がない。それだけで輸送ルートは一気に難しくなります。
そして何より問題なのは、どの経路を通っても治安に不安があること。特に国境付近は緊張感が高く、輸送中の安全確保が大きな課題でした。
どのルートで運ぶか、なかなか決まらず、検討に検討を重ね…
ようやくルートが決定してからも、そこから4か月半。
首都ニアメに無事に届いた瞬間は、正直泣きそうになりました。
途中で紛失とか、事故とか、何が起きてもおかしくないルート。
無事でありがとう、ほんまに。
国際案件の“洗礼”
今回のプロジェクトは、公的な国際機関との初めての案件ということもあり、
免税の申請資料や通関関連の手続きも、私たちにとっては未知の連続でした。
「えっ、こんな細かいところまで記載が必要なの!?」
毎回、調べながら、人に聞きながら、なんとか進めてきました。
ちなみにこの案件、私たち自身が現地で直接営業し、案件形成から始めたプロジェクトです。
もちろん最終的には入札を経て、勝ち取って契約に至ったわけですが、
ここまでの道のりは……うん、めちゃめちゃ長いストーリーです(笑)。
そのあたりの詳細は、また別の機会にでも。
正直、これがニジェールだから大変なのか、それとも初めてだから大変なのか、もうよく分かりません。
でもひとつだけ言えるのは…
荷物を送るだけで、めちゃくちゃ大変でした!!!
現地チーム、いよいよ合流!
ここからはいよいよ、導入フェーズ。
辻プラスチックで正式トレーニングを受けたニジェール現地パートナーと、
南スーダンから合流する技術支援チームで、力を合わせて進めていきます。
「やっとプロジェクトが動いてきたな」という実感が、ようやく湧いてきました。
無事に届いた日本の技術たち

到着した機材は、現地チームによって一つひとつ丁寧に開梱されました。
中央に写っているのは、今回導入する日本の技術の塊のようなソーラー式浄水システムの心臓部。
右側はソーラー導入するソーラーパネルの一部です。
え、導入地は護衛が必要!?
しかし安心したのも束の間、
導入予定地の状況を確認していたら、現地からこんな一言が…。
「あの地域は治安が悪いので、護衛が必要です」
……いや、それ、聞いてないよ!!
しかも、どうやって手配するの?
どこに頼めばいいの?
プロジェクトはようやく動き始めたけど、困難はむしろここからが本番のようでした。
首都ニアメは、めちゃくちゃ平和です

念のためにお伝えしておくと、
ニジェールという国は、日本の外務省が発表する危険情報マップでは“真っ赤”です。
つまり、「渡航は止めてください」と言われるレベルの国であり、プロジェクト実施地域のほとんどが、レベル3または4(渡航中止勧告・退避勧告)に指定されています。
そんな場所で、私たちは実際にプロジェクトを展開しています。
……と聞くと、めちゃくちゃ危ない感じがしますよね?
ちなみに、導入地はそんな状況でも、首都ニアメの治安はすこぶる平穏。
人々も優しくて、街も穏やか。
「え?こんなに平和なん?」って思うくらい、のどかな空気が流れています。
ニジェールという国の複雑さ、奥深さをあらためて感じています。
査証(ビザ)、今回は取れました!
ちなみに今回、私たちもニジェールに渡航することができました。
前回は、1か月粘ってもビザが下りず断念…。
でも今回は、本当に多くの方のご支援のおかげで、ようやくビザ取得に成功。
しかも、申請から取得まで約3か月。
いろんなルートから支援をお願いし、あちこち駆けずり回って、ようやくたどり着きました。
輸送や査証の取得では、多くのニジェールの方々が親身に助けてくれました。
本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。
次回は、かなり先になると思いますが、現地での機材の搬入・設置・指導の様子をお届けする予定です。
