セネガル川流域の水問題に挑む!辻プラスチックの奮闘記

みなさん、こんにちは! 今回は、セネガルでの調査プロジェクトについてお話しします。日本から遠く離れた西アフリカの地で、私たち辻プラスチックがどんなことをしてきたのか、その奮闘ぶりをぜひ読んでみてください

AfDXプロジェクトおよびFS調査の概要

Afdxプロジェクトについて
本プロジェクトは、日本企業のアフリカ市場への展開を支援し、新たなビジネス創出を促進することを目的としています。市場開拓の余地が大きいアフリカにおいて、日本企業が持つ技術やノウハウを活用し、相手国との連携やデジタル技術などの革新的な手段を取り入れることで、社会課題の解決を図ります。この取り組みを通じて、日本とアフリカの持続可能な成長に貢献し、企業間の連携強化を推進します。

弊社のFS調査について
この支援を受け、弊社はセネガル川流域における安全な飲料水の確保に向けた調査を実施します。セネガル政府は、国連のSDGs目標「すべての人々に安全な水と衛生へのアクセスを」の達成を目指していますが、地方の村落では深刻な水問題が続いています。地下水の塩水化や水源不足により、安全な飲料水を得ることが困難な地域が多く存在します。
本調査では、弊社が開発した浄水システムがこれらの課題にどの程度貢献できるのかを検証し、実装に向けた実現可能性を評価します。現地のニーズや技術適用の可能性を見極めることで、持続可能な水供給モデルの確立を目指します。

なぜプラスチックの会社が?

「えっ、プラスチックの会社が水の問題?」 そんなふうに思った方もいるかもしれません。でも実は、弊社には ソーラー事業部 があり、独自の太陽光発電技術を開発しているんです。この技術が、電気のない地域でも使える 浄水システム に活かせると考えました。
しかも、日本が誇る 中空糸膜の技術 を取り入れ、太陽光発電で駆動する 飲料水向けの浄水システム を開発。これは、電力インフラが整っていない地域でも メンテナンスが簡単 で、 高いろ過能力 を持つ画期的なシステムです。

このシステムの特長
・電気がない村でも使える
・メンテナンスが簡単
・高いろ過能力で安全な水を確保 という特徴を持っています。

セネガル川流域の村々では、飲み水が不足しているだけでなく、女性や子供が何時間もかけて水を汲みに行くという現実があります。私たちは、このシステムを通じて、その負担を減らし、教育や仕事の機会を増やすことができるのではないかと考えています。

セネガル川流域の飲料水問題

現地で調査を進めると、衝撃的な事実が次々と浮かび上がってきました。

地下水が塩水化し、濁った河川水を飲むしかない

「やっと掘った井戸が塩水だった……」という村が多く、飲み水として使えません。そのため、住民は仕方なく河川水を利用しています。しかし、この水も汚染されており、病気の原因になっています。

雨季の河川水の濁りが酷い

セネガルの雨季は4ヶ月も続き、その間の河川水は特に濁りが酷く、見た目はまるで泥水。それだけでなく、井戸水も濁ってしまうことがあり、住民はさらに厳しい状況に置かれます。それでも住民はこの水を飲まざるを得ません。安全な水を確保することの難しさを痛感しました。

女性と子供の負担が大きい

水汲みは主に女性と子供の仕事。毎日何時間もかけて水を運ぶため、学校に通えなかったり、仕事ができなかったりするという実態がありました。 また、村落では、河川水を凝集剤を使ってろ過する作業も行われています。この作業も女性と子供の役割であり、大きな負担になっています。

村人に浄水システムの仕組みや利便性を説明するため、事前にプロモーション動画を用意しました。動画を見た村民は非常に興味を示し、何度も見せてほしいとお願いされました。これは、飲料水確保の課題がどれほど大きいかを物語っています。その後、水を浄水している動画を見せると、みんなの目がキラキラ輝き始めました。村人に浄水システムの仕組みや利便性を説明しました。自動販売機のような小さな機器で、こんなに綺麗な水が安定的に浄水されることに、驚きを隠せない様子です。最初は「こんな機械、本当に動くのか?」と疑いの目を向けられましたが、デモを行い、実際にきれいな水を出すと、みんなの目がキラキラ輝き始めました。

「病気が減る!」 「水汲みの時間が短くなる!」 「子供が学校に行ける!」

現地の人々にとって、安全な水が手に入ることの価値は計り知れません。その喜びの声を聞いて、私たちもやりがいを感じました。

調査地域の選定とPodor県の課題

セネガル川流域の飲料水問題について、現地政府は特にPodor県を問題視していました。私たちは、Podor県を最優先で調査しつつ、同じ課題を抱えている可能性がある上流に位置するMatamやTambacoundaの村々も訪れました。
MatamやTambacoundaでは、同様に飲料水の確保が難しい村がありましたが、国際的な支援が比較的行き届いていました。しかし、Podor県だけは支援の手が届かず、遅れが目立っている状況でした。

Podor県は特に支援が難しい地域です。

  • アクセスが悪い → セネガル川のいくつも支流があり、物資の運搬が困難
  • 村が点在している → 効率的な給水システムを整備しにくい
  • 経済的に厳しい → 維持管理のコストを捻出できない

こうした理由から、Podor県は他の地域と比べても、水道整備を実施するのが厳しい状況にあります。しかし、だからこそ私たちのような持続可能なソリューションが求められているのです。

調査の困難

セネガルでの調査は想像以上にハードでした!
雨季のため、現地の道はほとんどが未舗装。いや、正直に言うと、道と呼べるものではありませんでした。車が泥に埋まることなんて日常茶飯事。「またか…」とため息をつきながら、何度もスタックした車を押し続ける日々。時には村の人々が総出で助けてくれ、彼らの力強さに感謝する場面もありました。

「こっちの道の方がマシだよ!」と村民が教えてくれた抜け道に入ると、さらに泥が深かった…なんてことも(笑)。

今回の調査は、浄水システムの適用可能性だけでなく、現地のリアルな生活環境を肌で感じる貴重な機会になりました。

今後の展望

村民の多くは長年、安全な水の供給を待ち続けています。しかし、収入が限られているため、自ら浄水システムを導入することは難しく、維持管理費の負担も大きな課題です。それすら難しい村落も少なくありません。今回の調査を通じて、私たちの浄水システムが セネガル川流域の村落に適している ことが確認できました。しかし、導入には 資金調達など、解決すべき課題が残っています。
幸いなことに、私たちの取り組みに共感し、協力を申し出てくれるNGOが複数あります。こうしたパートナーと手を取り合いながら、支援が遅れている地域への導入を進めます。

「支援が届きにくい村にも、安全な水を!」

このミッションを実現するため、現地のパートナーと協力しながら、持続可能な水供給システムの確立を目指していきます。

経済産業省および運営事務局の皆さまへ感謝の意を表して

このたびのAfDXプロジェクトにおいて、貴省および運営事務局の皆さまのご支援のもと、私たちはセネガルにおける事業の可能性を現地で調査し、貴重な経験を積むことができました。心より感謝申し上げます。

本プロジェクトでは、調査活動の支援のみならず、アフリカでの事業を成功させた専門家の皆さまに相談できる機会が定期的に設けられ、実践的なアドバイスをいただくことができました。これにより、単なる調査にとどまらず、今後の事業展開に向けた具体的な戦略を深めることができたことは、非常に有意義な経験となりました。

この貴重な機会を活かし、今後も持続可能な事業モデルの構築を目指し、現地の課題解決に貢献してまいります。引き続き、ご指導・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

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