ストップ蝶番とは?
ストップ蝶番とは、扉や蓋などを開閉する際に、特定の位置でしっかりと止められる機能を持つ蝶番のことです。一般的な蝶番はスムーズに開閉するだけですが、ストップ蝶番にはストッパー機構が組み込まれており、開いた状態を維持することができます。この機能により、扉を開けっぱなしにしたい場面で便利に使えます。例えば、機械の点検扉、工業用装置のカバーなどでよく使用されます。
天面扉におけるストップ蝶番の考察
今日は、弊社でよく使う二つの品種について説明します。他にも良い製品はたくさんありますが、特に使用頻度の高いものをピックアップしました。
今回の写真にあるように、天面扉には異なる種類の蝶番が使用されています。左側はミスミ製の型式HHPT3の小型ストップ蝶番、右側は型式HHPTF6のストップ蝶番です。
MISUMI: HHPT3 (小さい方)
HHPT3は、コンパクトでシンプルな形状が特徴のストップ蝶番です。サイズが小さいため、パネルサイズにあまり影響されず、複数の蝶番を並べて使用しやすいのがメリットです。また、ミスミの同系統製品の中では比較的安価なため、コストを抑えたい場合にも適しています。
ただし、トルク値が固定されているため、使用するパネルのサイズによっては開閉がしにくくなることがあります。また、取付けピッチが短く、アルミフレームとの相性があまり良くない点も考慮する必要があります。さらに、蝶番の部材が薄いため、長期間使用すると変形する可能性がある点には注意が必要です。
固定トルクの蝶番は、調整が不要な分、常に同じトルク値を維持できるため管理がしやすいですが、その反面、使用する環境やパネルの仕様に合わせて慎重に選定する必要があります。全体的にコンパクトで扱いやすい製品ですが、用途に応じた適切な設計が求められます。
MISUMI: HHPTF6 (大きい方)
HHPTF6は、トルクを無段階で調整できるのが最大の特徴です。ネジの締め具合によって開閉の抵抗を調整できるため、使用環境に応じた細かい調整が可能です。また、アルミフレームとの相性が良く、各シリーズに対応したラインナップが揃っているため、用途に応じて選択しやすいのもメリットです。
しかし、大型の蝶番のため、パネルサイズに大きく影響される点や、並列配置がしにくい点には注意が必要です。また、非常に扱いやすい製品ではあるものの、比較的単価が高いため、コスト面での検討も必要になります。
基本的に、蝶番は2個以上で使用するのが一般的であり、HHPTF6も例外ではありません。無段階調整が可能なため、すべての蝶番で同じトルク値に設定するのがやや難しいですが、開閉を繰り返しても調整は簡単に行えるため、使用に大きな支障はありません。
総じて、HHPTF6は天面扉との相性が非常に良く、ストッパー機構が別途必要ない点も大きな魅力です。調整のしやすさと実用性を兼ね備えた優れた蝶番であり、幅広い用途に適応できる製品です。
ストップ蝶番のメリット
- 開いた状態を維持できる
・天面扉の場合、開けたまま固定できるため、作業時に手が離せる。 - 安全性の向上
・勝手に扉が閉じることがなく、手を挟むリスクや誤作動を防げる。 - 耐久性の向上
・開閉の衝撃を抑え、蝶番や扉本体への負荷を軽減できる。
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まとめ
ストップ蝶番は、天面扉などで開けた状態を維持したい場合に非常に便利なアイテムです。適切な種類を選び、しっかりと設置することで、作業効率や安全性を向上させることができます。