ウガンダの水浄化システムが大ピンチ!泥だらけの膜、復活なるか?

2026年2月、ウガンダの村に水浄化システムを導入しました。
それまで村の人たちは、湖の水をそのまま生活用水として使っていました。現地を訪れると、水辺まで歩いてジェリーカンに水を汲み、それを家まで持ち帰る。そんな光景が、ごく普通の日常としてありました。

導入時に撮影した水汲みの様子。

このあたりでは広範囲で地下水が使えないため、彼らはこの濁った水を生活用水として使っていました。写真を見ても分かるとおり、水はめちゃめちゃ濁っています。
でも、ほかに選択肢がない。
そこで水浄化システムを導入し、この水を浄化し、より安全に使える水を得られるようにしました。今では、以前のような濁った水を使うことはなく、浄化された水が村や周辺地域の生活を支えています。導入時の様子は、以前のブログでも紹介しています。

前回の記事はこちら

そんな中、現地から緊急連絡が入りました。「水の出る量がかなり減っていて、みんなが使う分の水が足りなくなっている」とのこと。今では多くの人がこの設備を頼りにしているので、これは放っておけません。このまま止まれば、地域の水事情にすぐ影響が出ます。何とか早く原因を見つけて、復旧してあげたい。

導入後、たった8ヶ月で?

そこでまず、正しい手順で水浄化システムを使っているのか、現地でスマートフォンを使って撮影してもらいました。送られてきた動画を確認してみると、膜を洗浄する手順がおかしい。精査すると、正しい膜洗浄プロセスがほとんどできていないことが分かりました。長い間、十分に膜を洗浄しないまま使い続けていた可能性があります。圧力計の状態を見ても、膜の目詰まりはかなり進んでいそうです。

これは大ピンチ

そこで急きょ、これまで以上に細かく、できるだけ分かりやすい手順書を作り直しました。さらに、その資料を現地パートナーが現地語へ翻訳。この手順書を持って設置場所まで行き、機器の状態を確認してもらいました。

現地パートナーが機器の前に立ち、オンラインでこちらに状況を説明してくれます。こちらは日本から画面を見ながら、「まずここを確認して」「次はこのバルブを見て」と順番に指示を出していきます。

いやー、インターネットの普及で便利になったもんだ。

日本にいながら、ウガンダの村にある機器の状態を見て、その場で指示を出せる。しかも、現地側で実際に点検やメンテナンスができるよう、システムを出来るだけシンプルな構成にしていて良かった。

複雑すぎるのは、アフリカでは難しい。

現地で見て、触って、必要なら日本からオンラインでサポートする。このくらいの仕組みが、一番強いんやと思う。現地で確認してもらったところ、ポンプなどの機材には問題なし。

となると、やはり問題は膜。

今回使用している膜は非常に繊細な膜ですが、泥などが多い水でもできるだけ膜を保護できるようにコーティング処理されています。とはいえ、長い間きちんと洗浄されていなかった膜が、どこまで持ちこたえているのか。

頼むから、まだ生きててくれよ……。

まずは正しい膜洗浄プロセスを繰り返してもらいました。1回、2回と続け、最終的には10回ほど。それでも、ほとんど改善しません。本来なら膜洗浄をすると、内部にたまった汚れが濁った水となって排出されるはずなのに、その水があまり濁っていない。これは、かなり嫌な感じ。膜の表面だけではなく、泥がかなり詰まっているのかもしれない。膜を機器から取り出して、直接確認することにした。

取り出してみると、想像以上の状態。真っ黒で、膜の周りは泥だらけ、泥の塊みたい。

うわっ、なんやこれ!
そら、水も通らんわ(笑)。

ただし、ここでゴシゴシ洗うわけにはいきません。膜はかなりデリケートなので、洗剤などのケミカルは使わず、ブラシも使わず、とにかくやさしく手洗いします。時間をかけて少しずつ泥を落としていくと、表面に付着していた汚れはかなり除去できました。
手洗いした膜を機器に戻し、もう一度、正しい膜洗浄プロセスを実施してみると、今度は一気に濁った水が排出されました。さっきまでとは明らかに違います。

おっ!これは、いけるんちゃう?

そして水浄化を再開してみると、ホースから勢いよく水が出てきました。
見事、復活です。いやー、ほんまに良かった。

水が戻ると、水汲みを担当する子どもたちも集まり、いつもの風景に戻りました。

今回は直ったから終わりではありません。今回の原因は、膜洗浄の手順が正しく行われていなかったこと。せっかく復旧しても、同じ使い方を続ければ、また同じトラブルが起きます。
そこで、正常に水が出ることを確認したあと、そのまま現地パートナーから村の人たちへ、操作方法と膜洗浄プロセスを改めてしっかり指導してもらいました。

さらに、細かな手順書を壁にびっしり貼り付け、分からなくなったときには、その場ですぐ確認できるようにしました。覚えてもらうことも大切ですが、時間が経てば忘れるのよね。

忘れてもすぐ確認できる仕組み。

今回のトラブルで改めて感じたのは、優れた機器を現地へ持っていくだけでは十分ではないということ。故障したとき、操作方法が分からなくなったときに、その場で確認し、修理し、もう一度教えられる人がいる。その体制があって初めて、機器を長く使い続けることができます。

今回、膜はかなりダメージを受けたと思います。それでも、何とか復活してくれました。この村や周辺地域にとって、この水浄化システムは、もう必要不可欠な重要な設備になっています。
機械を導入することよりも、現地で使い続けられる状態をつくることの方が難しい。
今回の大ピンチで、そのことを改めて実感しました。



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