〜米価格の落ち着きどころを探る〜
日本人にとって白いごはんって、ただの主食じゃなくて“安心の象徴”みたいなもの。
おかずが何であれ、「とりあえず白ごはんさえあれば大丈夫」って思えるあの感じ。
家の匂い、季節の味、家族の会話――気がつけば、全部ごはんのそばにありました。
でも最近、その“安心”がちょっと揺らいでいます。
お米、ニュースでも話題になる時代に
テレビやネットでは「お米が高くなってる!」という話題で持ちきり。
ニュースで取り上げられるたびに、「また上がった?」「落ち着いた?」と気にする人も増えてきました。
さらに驚くべきは――
日本のお米事情が、海外でもニュースになっているということ。
たとえばロイターやブルームバーグなどの国際メディアでは、
「米価格の高騰で、日本が輸入に動き出した」
「世界有数の“コメ文化”の国でも、食卓に変化が起きている」
といった見出しが踊っています。
それほどまでに、日本の“ごはん”は世界からも注目される存在。
国は備蓄米を放出してなんとか価格を抑え込もうとしていますが、
たしかに**高騰は一段落したものの、「思ったほど下がっていない」**というのが正直なところ。
輸入米ラッシュ?その背景にあるのは…
これまでコメは、関税でしっかり守られてきた“国内の宝”のような存在でした。
でも、あまりに国産米が高くなってしまい、いまや関税を乗り越えてでも輸入する流れが加速しています。
制度としてはこうです:
- ミニマムアクセス枠(WTO協定)
年間10万トンまでは、主食用米でも無税で輸入OK。 - それを超えると、なんと…
1kgあたり341円の関税!
世界の米価格(例えば44円/kg)からすれば、これは実質約700〜780%の関税。
トランプさんもびっくりの設定です。
それでも、輸入米が増えているワケ
実際、最近では**5kgで3,500〜4,000円くらいの輸入米(カリフォルニア米など)**が店頭に並ぶようになりました。
輸送費や関税をかけてもなお、国産よりちょっとお得感があることも理由のひとつです。
「安い=味がイマイチ?」と思いきや、これがなかなかどうして。
炒飯やカレーに合わせれば、むしろ国産米よりしっくりくることも。
ちなみに――
昔は、輸入米なんて、スーパーの棚で見かけることすら珍しかったんですよね。
それが今では堂々と「おすすめ!」のポップ付き。時代は変わりました。

ブランド米の価格は下がらない?
一方、コシヒカリなどのブランド米は、やっぱり根強い人気。
多少値が張っても、「やっぱりこれじゃないと」という声は多く、そう簡単には値下がりしそうにありません。
最近ある農家さんがこんな話をしてくれました。
**「コシヒカリは暑さに弱いから、昔ほど作ってないよ」**と。
JAの買い取り価格がどの品種でもあまり変わらない中で、猛暑に弱く手間もかかるコシヒカリは敬遠されがち。
たしかに、6月から猛暑日が来るような気候じゃ、農家さんもリスクを避けたくなりますよね。
これからのコシヒカリは、じわじわと“高級米”に近づいていくのかもしれません。
農家さんの苦しみも忘れずに
コメの価格の裏には、農家さんたちの苦労があります。
肥料も燃料も人手もコストアップ。けれど、価格に転嫁しにくい現実がある。
「収穫しても赤字」「頑張っても報われない」――
そんな声が、静かに、でも確かに広がっています。
製造業が置かれている状況と同じやん。
ちょっとした対策
それでも私たちにできることはあります。
そのひとつが、**「玄米で買って、自宅で精米する」**という選択。
玄米は少し安く買えるうえに、精米したての白米は香りも味も格別。
滋賀県のように農家さんが多い地域では、玄米を直接売ってもらえることもあります。
そして滋賀には、町のあちこちにコイン精米機があるんです。
ガーッと音を立てて精米されるその時間も、ちょっとした「ごはん時間の前の楽しみ」。

ごはんがごちそうになる日
これから米の価格がどうなるか、先のことはわかりません。
でも、最近の輸入米の価格帯を見ると、5kgで3,500〜4,000円あたりがひとつの“落ち着きどころ”になりそうな気もします。
ブランド米や特別栽培米は、その上をいく存在として残り続けるでしょう。
でも、そんな選択肢が増える中で、私たちは「どのごはんにしようか」と楽しく迷えるようになったとも言えるかもしれません。
白ごはんが、ちょっとしたごちそうに感じられる――
そんな日が、もうすぐそこまで来ているのかもしれませんね。