今回、Japan-Africa Youth Programの一環で、ケニアの高校生たちが会社見学に来てくれました。
なぜ弊社に来てくれたのか。
理由は、アフリカで事業展開を目指している会社だから、とのことでした。
なるほど。
アフリカはよく「最後のフロンティア」と言われてますが、実際にアフリカで事業展開を目指して、現地に足を運びながら取り組んでいる日本の中小企業は、正直かなり少ない。
というより、めちゃくちゃ珍しい。
もしかすると、弊社が選ばれたというより、他に選択肢があまり無かったのかもしれません。
とはいえ、私たちにとっては、ケニアの高校生たちに自分たちの取り組みを見てもらえる、とてもありがたい機会です。
そんな少し不思議で、少しありがたいご縁により、ケニアの高校生たちを乗せた大型バスが会社にやってきました。

大型バスのドアが開くと、20名を超える高校生たちが次々と降りてきました。
第一印象は、とにかく若い。そして元気。さらに洗練されている。
ケニアの高校生と聞いて、こちらが勝手にいろいろなイメージを持っていたのかもしれません。実際に会ってみると、ナイロビやナイロビ近郊に住んでいる学生が多かったようで、とても都会的な雰囲気でした。
会社の前に集まっただけで、いつもの会社の空気が一気に明るくなりました。
会社見学といえば、パワーポイントで会社概要や事業内容を説明するのが定番です。もちろん、それも大切なのですが、今回は相手が高校生です。しかも、ケニアから日本に来てくれた高校生たちです。
長いプレゼンを聞いてもらうより、実際に見て、触れて、少し驚いてもらう方がきっと面白いだろうと思い、予定を少し変更しました。
そこで今回は、説明はできるだけ短めにして、デモンストレーション中心の会社見学にすることにしました。パワーポイントより、実物。こちらの説明力より、実物の説得力に頼る作戦です。
まず見てもらったのは、弊社の太陽光発電システム。

まずは太陽光発電システムのデモンストレーション。
一般的な太陽光発電システムは、バッテリーに電気をためて、その電気を使うイメージが強いと思います。しかし、弊社の技術では、条件が合えば、バッテリーに接続しなくても、太陽光パネルから直接電気を使って機器を動かすことができます。
つまり、太陽が出ている日中であれば、バッテリーへの負担を抑えながら電気を使うことができます。電気が十分に使えない地域や、バッテリーの交換・管理が大きな負担になる地域では、とても重要です。

実際に機器が動く様子を見ると、学生たちの距離も自然と近くなる。
最初は「太陽光発電の説明かな」という雰囲気だった学生たちも、実際に機器が動く様子を見ると、少しずつ表情が変わっていきました。説明する側としても、やはり実物の力は大きい。言葉で説明するより、動かして見せる。これが一番です。
そして、いよいよこの日のメインイベント。水浄化システムのデモンストレーションです。
ただし、こちらで最初から濁った水を用意して見せるだけでは面白くありません。せっかくなので、高校生たち自身に泥を混ぜてもらい、濁った水を作ってもらいました。

これが、想像以上でした。
少し濁った水ではありません。かなり濁った水でもありません。もう、濁度MAXです。「そこまで本気で濁らせる?」というくらい、しっかり泥を混ぜてくれました。高校生たちのエネルギーは、水づくりにも全力。
正直、こちらが少し心配になるレベルです。
「これ、本当に透明になるのか?」
そんな空気が、その場に流れてました。

いよいよ水浄化システムのデモへ。ここからが本番です。
ケニアの高校生たちは、ナイロビやナイロビ近郊に住んでいる学生でした。話を聞いてみると、ナイロビの水道水では時々濁った水が出ることがあるそうです。また数名の学生に聞くと、飲料水としてボトル水を使っているとのこと。
その話を聞いて、かなり昔の日本を思い出しました。私が小さい頃は、日本でも水道水から濁った水が出ることがありました。大阪の喫茶店では、水にレモン汁を加えて出しているところも多かった。水の味やにおいが、良くなかった時代。何年前やねん、という話ですが……。
今の日本では、蛇口をひねれば透明な水が出てくることが当たり前になっています。しかし、その「当たり前」は、実はとてもありがたいことなのだと、今回ケニアの高校生たちと話していて改めて感じました。
そして、いよいよ実験開始です。
高校生たちが全力で作ってくれた濁度MAXの水を、弊社の水浄化システムに通していきます。濁った水がシステムの中に入り、すぐに蛇口から水が出てきました。
その水は、さきほどの泥水とはまったく違う水。見た目には、濁りのない透明な水です。
さっきまで泥だらけだった水が、蛇口から透明な水になって出てくる。理屈では水浄化ですが、見た目はほとんどマジックです。
もちろん、タネも仕掛けもあります。中身は、日本の水浄化技術です。

左:浄化後の水。中:膜洗浄後の排水。右:原水。
写真にして並べると、違いは一目瞭然です。
自分たちで作った原水だからこそ、透明な水になって出てきた時のインパクトも大きかったのだと思います。高校生たちの反応も、とても良いものでした。
「本当に、さっきの水?」
そんな驚きが伝わってきました。中には、浄化された水を実際に口にして確かめる学生もいました。泥水を作った本人たちが、その後に出てきた透明な水を見て驚いている様子は、こちらとしても見ていてとても面白かったです。
もちろん、これは単なる理科の実験ではありません。
太陽光発電と水浄化システムを組み合わせれば、電気や安全な水へのアクセスが限られる地域でも、現地の課題解決に役立てる可能性があります。水は生活に欠かせません。そして電気も、今の社会には欠かせません。この2つを、できるだけシンプルに、現地で使いやすい形で届けることが、私たちがアフリカをはじめとする地域で取り組んでいるテーマです。
今回の会社見学では、ケニアの高校生たちに私たちの技術を見てもらいました。でも、私たちもまた、彼らから多くの刺激をもらいました。よく見て、よく反応して、よく笑う。そして、実験になると全力で泥を混ぜる。そのエネルギーは、こちらが学ぶことの方が多いくらいでした。
会社見学というより、少し国際交流で、少し実験教室で、少しマジックショーをしたような時間でした。
ケニアから来てくれた皆さん、本当にありがとうございました。またいつか、今度はアフリカの現場でお会いできる日を楽しみにしています。
そして最後に一言。
次に泥水を作ってもらう時は、もう少しだけ手加減してもらっても大丈夫です。
