今年もこの季節がやってきました。
辻プラスチックでは毎年、JICAのABEイニシアティブを通じて来日しているアフリカの留学生を対象に、短期インターンシップを実施しています。
そして2026年も、もちろんやりました!
今年来てくれたのは、マダガスカルとブルキナファソからの留学生2名です。
実はこの2人とは、以前参加したJICAの交流会で出会ったのがきっかけ。その時のご縁がつながり、「それなら一度、うちの会社に来てみませんか?」ということで、今回のインターンシップが実現しました。
毎年いろいろな国の留学生を迎えていますが、国が変われば、抱えている課題も、ビジネスの事情も、考え方も違います。さて、今年はどんな話が出てくるのか。
こちらも毎回楽しみです。

まずは辻プラスチックを知ってもらおう
インターンシップは、弊社の事業や、これまでアフリカで取り組んできたプロジェクトの紹介からスタートしました。
弊社が毎年この短期インターンシップを実施しているのは、単に会社や製品を見学してもらうためではありません。
せっかくアフリカのことをよく知る若い人たちが来てくれるのだから、弊社の製品や技術を見てもらいながら、「自分の国なら、どこで使えるのか」「どんなビジネスにつながるのか」まで一緒に考えてもらいたい。
そしてもう一つ、大きな目的があります。
それは、将来のビジネスパートナーとなり得る人材との出会いです。
今は日本で学ぶ留学生でも、数年後には母国へ戻り、企業や行政、国際機関など、さまざまな分野で活躍しているかもしれません。
そう考えると、毎年のインターンシップは単なる研修ではなく、将来につながる「出会いの場」でもあります。
会議室だけでは分からん!実際に動かしてみよう
アフリカの地方では、今も電気にアクセスできない地域がたくさんあります。でも、スマートフォンやランタンはしっかり普及している。
「電気はない。でも、充電はしたい。」
そら、そうなりますよね。
そのため現地では、スマートフォンなどを預かって充電するサービスが、普通にビジネスとして成り立っています。しかも、地方では一度に数十台を充電する需要も珍しくありません。40台以上を同時に充電することも、わりと普通にある世界です。
弊社では、そんな現地の使い方に合わせて、インバーターもバッテリーも使わず、ソーラーパネルとユニットをつなぐだけで充電できるシステムを開発しています。実際にニジェールで、民間の充電ビジネス向けに使われているユニットです。
今回は、その実機を使って10台のランタンを同時に充電してもらいました。

このユニットでは、スマートフォンなら最大40台を同時に充電できます。
日本では「40台も?」という感覚かもしれませんが、アフリカの地方ではむしろこのくらいの台数感が現実的。
現地で本当に使うなら、たくさん同時に充電できてナンボ。
そんな発想でつくっているシステムです。
濁った水、ほんまに透明になるん?
続いて体験してもらったのは、弊社の水浄化システムです。こちらも、カタログや資料を見ながら説明するだけでは、なかなか実感がわきません。そこで今回は、実際に濁った水を用意し、自分たちで装置を動かして、水がどのように変わるのかを体験してもらいました。
この水浄化システムも、ソーラー発電で動かすことができます。 電気や水道などのインフラが十分に整っていない地域でも、太陽光を使って水を浄化できるのが大きな特徴です。アフリカの地方で使うことを考えると、電源をどう確保するかはとても重要。水を浄化する装置だけあっても、電気がなければ動きません。そこで、ソーラーシステムと組み合わせて使えるようにしています。

そして、いよいよ実験です。見た目にもかなり濁った水を装置に通してみると、出てきた水はしっかり透明になりました。
「ほんまに透明になるん?」と思っていた水が、目の前でスッと透明になる。
仕組みを知っている私たちでも、実際にこの変化を見ると、やっぱり「おおっ」となります(笑)。説明資料を何枚見てもらうより、自分で装置を動かして、濁った水が透明になって出てくるところを見てもらう方が、ずっと分かりやすい。

マダガスカルでもブルキナファソでも、水へのアクセスは身近で重要なテーマです。だからこそ、単に「日本にはこんな装置があります」と紹介するのではなく、実際に触って、動かして、その変化を自分の目で見てもらうことに意味があります。
そして最後はやっぱり、
「これ、自分の国やったら、どこで使えるやろ?」
そこまで考えてもらえたら、この体験はかなり価値のあるものになります。
せっかく日本に来たんやし、京都へ!
インターンシップでは、ソーラーシステムや水浄化システムを実際に触ってもらい、かなり真面目な話もたっぷりしました。でも、せっかく日本まで来たんやし、仕事の話だけではもったいない。
ということで、休日はみんなで京都へ出かけました。
行き先は、やっぱりここ。清水寺です。
「京都まで行って、また清水寺かいな」と言われそうですが、海外から来た人にはやっぱり大人気。天気にも恵まれ、清水の舞台から京都市内を見渡しながら、しばし観光気分を満喫しました。

そのまま清水寺の境内をブラブラしながら、途中で甘いものを食べてひと休み。会社では聞けなかった話が出てきたり、母国のこと、日本での生活のことを聞いたり。こういう時間になると、インターンシップというより、だんだん普通の京都散策です。

「今日は仕事の話はなしで」と思っていたんですが、歩いているうちに、結局またアフリカの話に戻っていく。
京都まで来ても、やっぱり仕事の話してるやん。
まあ、それも含めて、ええ交流の時間になりました。
最後は逆に、プレゼンしてもらおう!
ここまでは、私たちがソーラーシステムや水浄化システムを説明し、実際に機器を触ってもらいながら、弊社の製品や考え方を知ってもらいました。
でも、知ってもらうだけではちょっと物足りない。ということで、最後は立場を交代。「この製品を自分の国で使うなら、どんな課題を解決できる?」それぞれに考えてもらい、プレゼンテーションをしてもらいました。

写真は、ブルキナファソの留学生によるプレゼンの様子です。自国が抱える電気や水へのアクセスの課題を整理し、その中で弊社のソーラーシステムや水浄化システムをどう活かせるかを、自分なりにまとめてくれました。
しかも、準備できる時間はかなり限られていて、こちらとしては、「短時間やし、どこまでまとめられるかな」と思っていたのですが……いやいや、ちゃんと仕上げてくるやん!課題を整理して、技術と結びつけて、自分なりの提案にする。その内容とまとめる力には、こちらもかなり驚かされました。
今回実施したのは、あくまで短期のインターンシップです。まずは弊社の製品を知ってもらい、「自分の国なら、こんな使い方ができるかも」と考えてもらうところまで。
もし将来、本当に私たちと一緒にビジネスをすることになれば、その先にはもっと深い製品理解や技術の習得が必要です。その時は、短期ではなく長期のインターンシップで、じっくり技術移転をしていくことになると思います。
今回のインターンシップが、その最初の一歩になればうれしいですね。
そしていつか、「辻プラスチックと一緒に、自分の国でビジネスをやってみたい」そう思ってくれる日が来たら最高です。その日を楽しみにしながら、今年の短期インターンシップも無事終了。
来年もまた、新しい出会いを楽しみにしています!
